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産業システム
北芝電機では、国内はもちろん海外進出を展開される際の溶解製品・設備の導入にも応えております。海外に自動車部品の生産拠点を設立された際には、省エネで環境負荷が少ない高効率誘導炉「エレセーブファーネスシリーズ」を、2013(平成25)年に続き、2017(平成29)年にも納入させていただきました。現地におけるアフターサービスも含め安心して事業展開ができるとご好評をいただいております。
決め手は日本の工場での実績と現地のサポート体制
2012年設立、製品と人にやさしい工場
高周波誘導炉を採用していただいたKITAGAWA MEXICO,S.A.DE C.V.(以下、KMEX)は、北米や中南米で拡大する自動車市場に応えていこうと、2012(平成24)年にメキシコに設立した自動車部品の日系企業です。場所は、メキシコ中央部のアグアスカリエンテス州。2014(平成26)年に鋳造生産をスタートし、素材生産から加工まで一貫生産を行っています。
メキシコ進出は、初めから計画されていたことではなく、当初は「LCC(ローコスト)で」という要望に応えるべくタイでと考えていました。「ところが1980年あたりから円高になり、ドルベースで、地産地消で、という話になってきました。アメリカ、カナダ、メキシコの自由貿易協定(FTA)による関税ゼロで周辺諸国に輸出できることや、メキシコの労働コストの低さなども呼び水となりました」と松葉範仁社長。現在、KMEXは「製品と人にやさしい工場」をコンセプトに自動車部品に特化しミッション、エンジン、ブレーキ部品を生産しています。
KITAGAWA MEXICO, S.A.DE C.V. 取締役社長 松葉範仁さん(左)
取締役工場長 平前勇さん(右)
省エネで鉄を溶かすスピードも速い高品質の電気炉
5年前の1次ライン立ち上げの際、KMEXでは「エレセーブファーネスシリーズ」を3×3000kW-300Hz-3×5ton導入しました。さらに仕事が増えてきたことから昨年、2次ラインを立ち上げる際にも同シリーズの3×3000kW-300Hz-3×5tonを導入していただきました。採用の決め手を松葉社長に伺うと「日本の工場での実績と現地のアフターサービスがあることです」と話してくださいました。
松葉社長がおっしゃる実績というのは、国内でご導入いただいております高周波誘導炉の事です。「メキシコに進出するにあたって『どこの誘導炉にするか』という話になった時、検討事項の優先順位第一位が省エネでした。加えて、自動で電力コントロールできることが決め手になりました。日本国内工場で導入した際も何事もなく順調に進んだのでメキシコにもという話になりました。もう一つは、バックアップです。メンテナンススキームがメキシコにあるのもポイントになりました。」
実際設置したばかりの頃は、少なからずトラブルもありました。しかし、手当ての一つ一つが的確で、1次サプライヤーのラインを止めることなく困難を乗り越えたことで、さらに信頼を深めることができたとのこと。「電力を自動コントロールできるので電力の使い過ぎ防止になっていますし、鉄を溶かすスピードも速い。撹拌能力もあるポテンシャルの高い電気炉だと思います」。KMEXの設立から今日までを振り返ると、予期せぬ米国政策の市況の変化などもありました。「ただ今のところ生産高は、ほぼ計画通りでNAFTAの関税問題の影響はありません。刷新された新たな貿易協定の今後については、まだ不透明ですね」と松葉社長。そうした中、アフターサービスやメンテナンスの現地サポート体制が確立していることは、どんなに力強いことか。私たちも再確認しました。
コイル交換の新たなスタイル「クイックチェンジ炉」に期待
今後に向けての要望としては、騒音防止対策をお願いしたいとのこと。「日本では85デシベル。メキシコでは90デシベル。そこを満たしていきたい。サポート、サービス面で付け加えるとすれば、メキシコ人への保全・築炉についての研修会などがあれば助かります」と松葉社長。
また、北芝電機のHPでコイル交換の新たなスタイルとして紹介している「クイックチェンジ炉」についても、気になっているとのこと。「5年に1回交換が必要になるコイル交換が、これまで7日かかっていたものが3日になるならぜひ、うちもと思いました」。クイックチェンジ炉は、現在日本国内向けのみの展開ですが、徐々に海外展開もしていきたいと思いますので、準備が整い次第ぜひ、ご提示させていただきたいと思います。
産業システム営業グループ
参事 河野 俊光(中央)と現地の作業員の方
鋳造から加工まで高品質、一貫生産を強みに
メキシコで新工場を構えて6年。KMEXの魅力は、日本の泥臭い高品質のものづくりこだわり、鋳造から加工までを一貫生産で行うところにあります。「一貫生産は、メキシコではほとんどありませんので、そこを強みにしていきたいと思っています」と松葉社長。今年、手掛けることになった新規物件も、素材から鋳造、加工までの全てを行うという提案型で商談に臨んだそうです。さらに工場では、高品質の良い製品を作りあげるため鋳造と加工の皆さんが意見を出し合い、切磋琢磨しながら取り組んでいます。「製品群を絞って米系自動車メーカーへの展開も図りたいと思ってデトロイトの展示会にも出かけて行っています。イメージしているのは、身の丈に合った先行投資としての『デファレンシャル』。これを更なる強みとして突き進みます」。KMEXの願いを叶える一翼を担うのが北芝電機の高周波誘導炉ですのでこれからも、万全の体制でサポートして行きたいと存じます。引き続きよろしくお願いいたします。