電力システム
Electric Power Systems新型環境調和型変圧器 ULTrans
北芝電機の新型環境調和型変圧器(ULTrans)は、絶縁油に天然エステルの植物油(ナタネ油)を適用することで、「環境性能向上」「土壌汚染防止」「安全性向上」をかなえ、「長寿命化」「低損失化」「全装可搬化」による現地工事期間の短縮を図ります。
新型配電用変圧器(ULTrans)は、お客様のご要望に応じて容量・電圧・周波数・結線などの仕様変更が可能なので、詳しくはお問い合わせ下さい。
ULTransの特長
長寿命化(60年)
ナタネ油の高い水分吸収性により、巻線絶縁紙に含まれる水分量を抑制し、期待寿命を30年から60年に延伸化します。
変圧器の寿命は、コイル絶縁紙の残存強度(平均重合度)により決まります。
絶縁紙による劣化の違い
絶縁油の劣化様相(着色)
電力損失の低減
(従来比約15%低減)
ナタネ油の特性に合わせた最適の設計を行うことで、低損失化が可能となりました。
20MVA配電用変圧器では負荷率40%において、従来の鉱油入変圧器に比べ電力損失の約15%低減を実現しました。
電力損失の比較
全装可搬化および現地工事期間の短縮(最短で現地搬入後約3日)
工場で組み立てたまま現地に輸送できる全装可搬化を実現します。現地工事期間は従来の9日間から3日間程度に短縮できます。(※容量 20,000kVAの場合)
放熱器の形状変更によりコンパクト化を実現。
全装可搬化で工期短縮
優れた安全性
新型環境調和型変圧器(ULTrans)で使用するナタネ油の燃焼点は300℃以上と引火点が高く、安全性に優れています。
トラフ試験
細長い容器に試料油を入れてガスバーナーで着火、燃焼による変化の様子を観察します。
鉱油系絶縁油はすぐに燃焼し始めますが、ナタネ油は60秒後も火が着きません。
環境負荷低減に配慮
CO2の削減
ナタネ油の廃棄処理時に発生するCO2は、アブラナが生育時に吸収したCO2と同等であるため、地球温暖化防止に貢献します。
(カーボンニュートラル効果)
弊社製品に使用するナタネ油は、ナタネの生育、精製、焼却を通したライフサイクル全体のCO2排出量がとても少なく、カーボンニュートラルな素材です。鉱油系絶縁油に比べ、環境負荷の低減を図ることができます(CO2 排出量を1/6に低減)。
土壌汚染防止
ナタネ油の生分解性は89%と鉱油の17%より高く、環境汚染防止が図れます。(油メーカー比較値)
ナタネ油の生分解性
バクテリアによる分解の様子
定格・仕様
容量 | ~ 200MVAクラス |
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冷却方式 | 油入自冷式、油入風冷式、導油風冷式 |
周波数 | 50Hz または 60Hz |
電圧 | ~ 187kVクラス |
位相変位 | Yy0 または Yd1 |
油劣化防止方式 | 本体:無圧密封式(OH-D) LTC:無圧密封式(OH-D) |
受賞実績
新型環境調和型配電用変圧器(ULTrans)は東北電力株式会社殿と東北電力ネットワーク株式会社殿と共同開発し、各種の賞を共同受賞しております。
2020年11月 | (一社)日本電気協会「第65回 澁澤賞」 受賞 |
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2019年1月 | (一財)省エネルギーセンター 「平成30年度省エネ大賞 製品・ビジネスモデル部門 省エネルギーセンター会長賞」 受賞 |
2017年11月 | (公財)電気化学技術奨励会「第65回 電気科学技術奨励賞」 受賞(旧オーム技術賞) |
2017年5月 | (一社)日本電気協会東北支部 「第71回支部大会 東北電気関係事業功績・功労者表彰式 最優秀考案賞」 受賞 |