お客様の声

Customer's Voice

電力システム

平成21年から北芝電機は、東北電力(株)様と共同で絶縁油にナタネ油を使う変圧器の研究開発に取り組んでいます。京都議定書など、社会はサステナブル時代に向けた価値観の転換期でもありました。
私たちも環境にやさしい変圧器を開発してCO2削減に貢献しようと取組みましたが、直後の東日本大震災の影響などによる復興の加速化で、イニシャルコストが重視され普及が停滞してしまいました。

桜田変電所(山形市)

桜田変電所(山形市)

その後もコツコツと改良を続けた結果、完成したのが新型環境調和型変圧器「ULTrans」です。ナタネ油の最大の長所「長寿命」を加速劣化試験で検証し、従来30年だった寿命を60年にまで延ばすことができました。さらにコンパクト化も実現させたことから、輸送スタイルもこれまでの分解輸送から効率のよい全装輸送が可能になり工事期間も従来の3分の1とかなり短縮されました。

お客様レポート

コーポレートスローガンに合致する新型環境調和型変圧器

平成28年7月、東北電力(株)山形技術センターは、新型環境調和型変圧器「ULTrans」(以下「ウルトランス」)の初号機を桜田変電所(山形市)に導入しました。翌年7月には、2台目となるウルトランスを導入し運転を開始しました。この工事は、東北電力(株)山形技術センターが老朽化した経年変圧器(1万5,000kVA)2台をウルトランス(2万kVA)2台に更新することでした。

絶縁油にナタネ油を使うウルトランス(新型環境調和型変圧器)は長寿命、生分解性が89%と、これまでの鉱物油を使った変圧器と異なり環境への負荷が小さくて済みます。それは、東北電力のコーポレートスローガン、地域に「より、そう、ちから。」と合致するものでした。また、今回は、地域の電力安定供給に向けウルトランスの初号機導入に関わられた東北電力(株)の野口英美さん(以下 野口<敬称略>)と棚橋貴也さん(以下 棚橋<敬称略>)に北芝電機のウルトランスの開発に携わった瀬戸正樹さん(以下 瀬戸<敬称略>)を交えてお話を伺いました。

東北電力(株)山形技術センター 変電課 棚橋貴也さん

東北電力(株)山形技術センター
変電課 棚橋貴也さん

東北電力(株)山形技術センター 変電課長 野口英美さん

東北電力(株)山形技術センター
変電課長 野口英美さん

工期と費用を押さえる全装輸送&レトロサイズ

―― 今回のウルトランスへの取り換え工事の様子を教えてください。

棚橋:旧タイプからウルトランスへの取り替え工事は、平成29年4月から7月にかけて行いました。内容をざっくり説明しますとまず、電気を途切れることなくお客さまに届けるために①仮設の変圧器を設置して負荷を切り替える。②古い変圧器を撤去する。③深夜にウルトランスを運び、早朝敷地内に入れて据え付ける。という工事でした。これまでですと変圧器を分解して運び入れた後、現場で組み立てる作業が必要でした。ところがウルトランスは、完成形で運ばれてくる全装輸送なので組み立て不要。品質も工場直送です。その分工事期間が短縮できるというメリットがありました。

東北電力(株)山形技術センター

―― 導入する際、北芝電機からは提案などあったのでしょうか。

野口:北芝さんからは変圧器をレトロサイズにしては?というご提案を受けました。

瀬戸:レトロサイズとは、既存の基礎の形にあわせて新しい変圧器を製作し、据え付けるというものです。桜田変電所では、採用にはいたらなかったのですが、基礎工事が不要になることから工事費用の低減、期間の短縮につながります。さらに工事中の音や振動もグンと減ります。

棚橋:これは、近隣の皆様にとってもよいことです。工事期間中は変電所の周りを、遮音を兼ねたシートで囲うこともあります。工事の際は、万全の対策をしておりますが音や振動は少なければ少ないほどいいですよね。基礎工事の音が一番気になるので、そういう意味でもうれしいご提案でした。

新型環境調和型変圧器「ULTrans」

まだまだ伸び代があるナタネ油革命

―― ウルトランスの魅力はなんですか。

棚橋:桜田変電所ではこれから先、期待寿命の延伸が見込まれる2台のウルトランスがそれぞれ長期にわたり電気の安定供給を担います。やはりそこですよね。私たちのミッションは電気の安定供給なので、長寿命のウルトランスを頼りにしています。

北芝電機変圧器部 変圧器第一技術グループ主務 瀬戸正樹

北芝電機変圧器部
変圧器第一技術グループ主務 瀬戸正樹

東北電力(株)山形技術センター東北電力(株)山形技術センターの方々

瀬戸:ほかにも鉱物油が危険物扱いなのに対して、ナタネ油は指定可燃物になります。変電所を地下や屋内に設置せざる得ない場合も、燃えにくいナタネ油のウルトランスなら設置できるほか、建物も簡素化が可能なのでイニシャルコストも削減できます。変圧器の長寿命化については、東北電力(株)様の現場の声が大きなヒントになっており、やはり不思議なご縁を感じます。もともと植物油の特性に水分吸収性という特徴があることは分かっていました。一方、変圧器の中の紙が水分によって劣化することで寿命が縮むということもわかっていました。水分を取れば寿命が長くなるのでは…というヒントを、東北電力(株)様からいただいた弊社は、油と水分の試験を徹底的に行い、寿命が倍になるという検証を導き出しました。現在も継続的に研究を進め、これ以上の進化はないと言われ続けてきた変圧器に新風を起こした北芝電機のナタネ油革命は始まったばかりです。

棚橋:まだまだ色々な可能性がありそうですね。

瀬戸:今後の北芝電機にご期待ください。

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